短編ドラマ その1 「ビリーとエリック」

短編ドラマ「ビリーとエリック」
日時:2006年12月7日夜10時すぎ
場所:京都SLOWHAND
~~扉を開けるお客様、何とビリー・ジョエル様ご来店。今、ジャパンツアー中なのは知っていたけど、まさかここでお会い出来るとは・・・。~~~
マスター:「い、いらっしゃいませ~。今日はオフですか~?」
ビリー:「やぁ、昨夜は大阪でコンサートやって二日間はオフなんだ。今日は久しぶりの京都観光、まわり過ぎて疲れたよ。ビールでももらおうか・・・。」
マスター:「はいっ、かしこまりましたっ。」
~~てな具合です。しばらく歓談してるとまた扉が・・・。そこにはギターを抱えたエリック・クラプトンが・・・。~~~
エリック:「勝手に俺のニックネーム、店の名前に使うなよ~。やぁ、ビリー、久しぶりだなぁ~。」
ビリー:「10年ぶりかな~。前に会ったのはニューヨークだったな~。そう、あれは『OSAKA天下茶屋(注:カーネギーホール横の高級たこ焼きレストラン)』だったかな~。ところで君もツアーかい?
エリック:「武道館のコンサート、1日オフだから京都へ遊びに来たんだ。あいにく日本の彼女が不在でね。タクシーで通りかかったら『スローハンド』なんてふざけた名前のバーがあったんで入ってみたんだ。ところでビリー、最近はエルトンとはつるんでないのかい?」
ビリー:「あぁ、最近はね。アイツ、ピアノも俺より上手いしいい奴なんだけど、ツアー中は俺がナイーブになってしまうんだ。夜中にアイツが部屋に入って来ないかとビクビクしてしまって・・・。」
エリック:「大丈夫だよ。アイツ、ノンケには何もしないから・・・。そういえばマスター、明日はジョンの命日だけど何かイベントでもするの?」
マスター:「いいえ、今のところ・・・。ジョンの曲をかけるくらいですね。明日はジョンの命日ですけど、僕のオカンの誕生日でもあるんです・・・。」
ビリー:「なるほど、そっちの方が大事だな。オカンが生まれなきゃマスターも今ここにいないんだからなぁ~。でも俺はビートルズナンバーでもしようかな~。『ハード・デイズ・ナイト』はたまにやってるからな・・・。」
エリック:「俺はジョージとは結構仲良かったんだけど、ジョンとはそんなにな~。嫁さんもウルさそうだったからな~。ところでマスター、さっきからジャクソン・ブラウンばかりかけてるじゃないか。『スローハンド』なのにそりゃあないぜ。」
マスター:「どうもすみません。気が利かなくて・・・。」
エリック:「俺のCDはいいから何か気の利いたCDかけてくれよ。」
マスター:「かしこまりました。」
~~マスター、おもむろにCDをチェンジ~~~
エリック:「何だ?シェリルじゃないか。いい加減にしてくれよ。知ってんだろ~。でもアイツいい女だったな~。今夜は久しぶりに酒でも飲もうかな。せっかく禁酒してたんだけど・・・。」
ビリー:「わかるよ、その気持ち・・・。」
マスター:「かしこまりました。ウーロン茶、キャンセルですね・・・。」
~~~おわり~~~
テーマ : ショート・ストーリー
ジャンル : 小説・文学